森ビル株式会社は、地震による建物の被害状況を即座に推測する地震直後建物被災度推測システム「e-Daps」を独自開発し、今夏より六本木ヒルズ森タワーでの運用を開始いたしました。

本システムは、建物の数フロアごとに設置している「地震計計測データ」と「建物固有の構造特性」を基に、フロア毎の「揺れの加速度」と「建物変形」をリアルタイムに自動解析するシステムで、建物構造の被災状況を即座に一次判定することができます。目視判断が難しい構造の安全性に対し、実測データに基づいた根拠ある判断が可能となり、優先順位をつけた初動対応を実現します。
また、高層ビルに影響を及ぼしやすいとされる長周期地震動の有無を即座に判定できる独自の仕組みも開発。2005年にエレベーターにおける長周期地震動対策システムを構築した経験を活かし、長周期地震動の成分を早期に検知し、揺れが大きくなる前に警告する機能を装備しました。

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<画面表示内容>専門家でなくとも直感的にわかる簡易な画面表示と音声によるアナウンス
(1)地震計データの波形表示
(2)建物の揺れをリアルタイム表示示
(3)地表面の最大加速度、建物内の最大加速度・最大変位、地表面震度の表示
(4)長周期地震動発生有無の表示
(5)建物被災度推測解析(躯体損傷・什器転倒)の立面表示


大地震直後に実測データに基づく安全確認ができることは、テナントのBCP及び居住者への安全安心に寄与し、また帰宅困難者受入れに際しても効果を発揮します。当社では、六本木ヒルズ森タワーでの運用を皮切りに、今年度中に「アークヒルズ 仙石山森タワー」で運用開始、続いて「虎ノ門ヒルズ(2014年開業予定)」など当社が運営する大型オフィスビル、高層住宅にも順次設置してまいります。

ハード、ソフト両面から一体的な防災活動を実現

当社では、「逃げ込める街づくり」を目指し、南海トラフ地震などで懸念される長周期地震動や、首都直下地震にも対応する制振・免震装置を積極的に導入し、最高グレードの耐震ビルを提供しています。同時に、20万食の備蓄、帰宅困難者受入れなど、ソフト面においても様々な防災体制を構築してまいりました。
新システム「e-Daps」における関係者へのレポートメール自動送信機能の装備や、当社管理ビルの災害状況をWEB上で一括管理できる「災害ポータルサイト」との連動により、より迅速で効果的な防災対応を可能にします。

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