森ビル株式会社は、この度、東京都のスマートエネルギー都市推進事業の一環である「テナントビルにおけるデマンドレスポンス実証事業」の実施事業者に決定いたしました。

ビルオーナーとテナントの協働による省エネ・節電対策ノウハウを実証事業に

電気使用量を抑制し電力負荷の平準化を図るため、需要側で電力消費を抑える「デマンドレスポンス」は、ピーク時の電力需給ひっ迫の回避につながるだけでなく、CO2排出削減による環境負荷の軽減にもつながる仕組みとして重要性が高まっています。一方、オフィスビルや商業ビルでは、エネルギー使用量の6~8割をテナントが使用しており、ビル全体での省エネ推進には、テナントの協力が不可欠です。
この度、東京都が実施する「テナントビルにおけるデマンドレスポンス実証事業」は、ビルオーナーとテナントの協働により、建物の共用部だけでなく、テナント専有部も対象としたデマンドレスポンスの手法を開発し、その効果を測定、検証することでビルオーナーとテナント間の合意形成の円滑化に向けたノウハウや、節電効果に関するデータ等の蓄積を図るものです。
当社は、これまでも、テナントとの協働による省エネ・節電対策に取り組んでおり、東日本大震災後の電力需給ひっ迫時には、環境対策に積極的に取り組むテナントの協力のもと、節電等を行った結果、六本木ヒルズの自家発電プラントから一時間当たり最大5,000kWの電力を東京電力に提供いたしました。
こうしたテナントとの連携ノウハウおよび、当社にて開発、運用中のテナントのエネルギー使用量を可視化する「エネルギーWEBシステム」等を活用し、今後の好環境な都市づくり形成の一助となるべく、当社運営の「六本木ヒルズクロスポイント」および「虎ノ門36森ビル」の2棟において、実証事業を実施いたします。

【実証事業における具体的なデマンドレスポンス手法】
1.警報メール配信
「エネルギーWEBシステム」を活用し、テナント側であらかじめ決めた、目標値に近づいた場合に警報メールを配信することでデマンド抑制対応を促す。

2.マニュアルによるデマンド対策
警報メール配信時に行うデマンド対策をあらかじめ定め、配信時に実行(照明の強制消灯等)。

3.空調制御の実施
あらかじめ決めたエネルギー使用量に達した場合、各階空調機が自動で制御。

4.協力テナントへのインセンティブ付与
積極的にテナントに協力いただくために、当社商業施設の優待チケット、商品券等を進呈。

130528_1.jpg

デマンド管理機能:目標値を設定し、使用状況に応じてアラーム発信も