森ビル株式会社では、「逃げ出す街から逃げ込める街へ」をテーマに、安全・安心な街づくりの一環として、独自に定めた高い耐震基準のもと、制振装置等の先端技術を駆使し、ビルの耐震化に積極的に取り組んでいます。さらに、主要ビルには、その制振効果を評価・検証することを目的に地震計を設置、観測データの分析・解析処理を行い、その有効性を確認するとともに、今後のプロジェクトに活かしています。
この度、東日本大震災において観測された地震計実測データを、耐震工学の権威 東京工業大学 建築物理研究センター長 笠井和彦教授に提供し、制振・免震効果の共同研究を実施いたしました。その結果、六本木ヒルズ森タワーをはじめとする各ビルにおいて、制振装置が有効に働き、地震の揺れが大幅に低減していることを実証しました。

東日本大震災時に観測した地震計実測データ解析のポイント

・六本木ヒルズ森タワーの変位は制振装置の効果により半減
 なお、制振装置は、揺れの最大値低減だけでなく、揺れの早期収束にも効果
・中小規模(震度1~6)の地震や長周期地震動には「粘性系ダンパー」が有効
・人の恐怖感を低減する「粘性系ダンパー」の有効性
※詳細は[参考資料1(PDF)]ご参照

実測データ・解析結果を学術機関等に公開し、耐震技術進歩に貢献

建物の揺れは、地震の規模や性質、また建物構造や地理特性によって異なりますが、巨大地震の到来が不安視されるなか、当社で得られた知見やノウハウを積極的に社会に還元することで、耐震技術の進歩とともに、安全・安心な都市創造に貢献してまいります。

日本建築学会「東日本大震災2周年シンポジウム」
東京工業大学 笠井和彦教授(共同研究者)による論文発表
日時:2013年3月29日(金)10:00~17:30
場所:会場:建築会館ホール

※なお、森ビルウェブサイトにおける情報公開も予定(5~6月)しております。