森ビル株式会社は、都市づくりの理念に「ヴァーティカルガーデンシティ(立体緑園都市)」を掲げています。昨今、小型電気自動車や自動運転システム等、次世代の技術開発が進む中、当社では、「ヴァーティカルガーデンシティ」のキーワードである「安全・安心」「環境配慮」「時間や空間の効率的な利用によるタイムリッチなライフスタイル」等、新しい国際都心の機能をさらに高めるため、時代のニーズやテクノロジーの進化にあわせ、最新のモビリティシステムを導入した都市の在り方に関してメーカー等と共同で研究・検証を実施しております。

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森ビルは、グローバルな都市間競争の中で、東京が、都市を核にして世界中の人々が出会い、交流し、多彩で活発な経済活動や文化活動が生まれるような真の国際都心となるべく、都市にかかわる幅広い業界における企業、行政、団体等と連携し、新しい都市の実現を目指していきます。

実現に向けてメーカー等と共同研究。具体的なプロジェクトへの導入も検討

最新のモビリティシステムを導入した新しい都市の移動手段を実現すべく、横田外装研究室の協力のほか、要素技術についてメーカー等と共同で研究・検証を実施。ハード・ソフトの課題、法的な制約等を洗い出し、具現化に向け検討を重ねています。今後は、当社の具体的なプロジェクトにおいて、これらの新システムの導入を検討していきます。

■研究事例1:「Elevator Tower」超高層ビルの縦移動を快適にし、地震時の安心を確保する
目的:東京が世界都市を目指すなかで、克服しなければならない地震リスクに対して、超高層都市の縦移動を快適にし、地震時の安心を確保します。

共同研究者:横田外装研究室、東芝エレベータ株式会社

概要:
・地震時の安心を確保する為に「いち早く乗客を避難させる」「被害を最小限にする」「より早く運転を復旧する」の3点に着目しました。
・デュアルフレームのトラス構造でタワーを自立させ、周囲の超高層ビルからはオイルダンパーで支持し、揺れを効率的に制御します。
・エレベーター機器側では、昇降路内でかごとおもりの走路を分離するなど 、地震時の被害を最小限にするいくつもの工夫を施します。また、かごに設置したカメラの画像解析により自動診断を行い、早期の自動復旧を目指します。
・印象的な外観のタワーが帰宅困難者のランドマークとなります。タワー足元の災害ステーションは、備蓄・発電施設等を備え、帰宅困難者を受け入れます。

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■研究事例2:「ガレージレジデンス」高層階の自宅から乗降。震災時は電気自動車から自宅に電力供給
目的:地上から高層階の自宅まで車を移動させることで超高層住宅の可能性を広げます。これまで付帯施設であった駐車施設は、生活により密接につながり、人々のライフスタイルが変化します。

共同研究者:東芝エレベータ株式会社、IHI運搬機械株式会社

概要:
・戸建住宅感覚で高層階の住宅から車に乗降ができるため、荷物の持ち運びも容易になり、利便性が向上するほか、日常生活での買物や引越しなど、プライバシーも確保できます。
・電気自動車の蓄電池を利用し、電力を自宅に供給することも可能で、震災時にも役立ちます。
・車を身近に置きながら都心を一望できるガレージレジデンスは、プレミア感があり高い付加価値となります。

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