森ビルグループが運営する中国・上海市浦東新区陸家嘴地区の超高層複合ビルプロジェクト「上海環球金融中心」(英文名称:Shanghai World Financial Center)に、昨年11月に設置した省エネルギー性、安全性の強化を実現した高層ビル向け新ゲートシステム「超軽量多機能二重扉」の冬季運用実績がまとまりました。その結果、外気流入量はスライド式自動扉に比べて約75%減(1人通行時)、2009年12月における建物全体の空調用ガス使用量は前年対比で約5.6%の削減につながりました。

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上海環球金融中心

超軽量多機能二重扉(セミインターロック)の効果

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日本で初めて六本木ヒルズに設置

「上海環球金融中心」での運用実績を生かし、森ビルでは、「超軽量多機能二重扉」を日本で初めて、六本木ヒルズ森タワー3階(展望台・美術館用エントランス部分)に設置、2010年2月25日より運用を開始しました。「超軽量多機能二重扉」は、高層ビル内におけるドラフト現象(※1)の抑制効果が高く、室内外の温度差や気圧の変化を抑える効果のある新ゲートシステムとして効果が期待されます。
(※1)ドラフト現象:主に高層ビルにおいて、室内外の温度差、上下階の気圧差が大きくなることにより、エレベータシャフトや階段室、アトリウムなどの吹き抜けに上昇気流が発生し、エレベータドアやビル内のスライド式・スウィング式のドアが開きにくくなったり、逆に勢いよく閉まるといった現象が生じる

新ゲートシステム「超軽量多機能二重扉」の主な特長

省エネルギー性
・二重自動扉構造(インターロック制御※2)がドラフト現象を抑制
⇒風除室効果により、ビル内の冷暖房効率が向上(省エネ効果の向上)

安全性
・可動部分(扉)の超軽量化により安全性を向上(既存の同サイズの折戸の約30%減)
・ゲートセパレータの光電センサをGLから15cm、60cmの2カ所に設置。車いすやベビーカーの方も安全に通行できます
・扉稼働部分隙間を最小(1.5mm)に設計、扉付き合わせ部にクッション性の高いゴムを使用し、さらに光電センサを縦に設定。光電センサが障害物を感知すると、扉は閉まることがなく、指詰め防止対策を徹底しています
(※2)インターロック制御:二重自動扉構造において、常に一方の扉のみが開き、同時に入扉・出扉が開くことがない機構。風除室効果を高め、ビル内温度や気圧の変化を抑制する

なお、新ゲートシステム「超軽量多機能二重扉」は、新日軽株式会社、ナブテスコ株式会社、ナブコシステム株式会社、パナソニック電工株式会社、森ビル株式会社が、各社のノウハウや技術を結集して共同開発したものです。

【製品に関するお問合せ先】
ナブコシステム株式会社 営業推進部 浦井清一 TEL 03-3593-0181
新日軽株式会社 ビル建材第一事業部 小西義治 TEL 03-5677-8642
※2010年4月1日以降は日軽産業株式会社 機能製品チーム TEL 03-5461-2017)
パナソニック電工株式会社 広域法人営業部 那須紀公 TEL 03-6218-1478