森ビルグループが運営する中国・上海市浦東新区陸家嘴地区の超高層複合ビルプロジェクト「上海環球金融中心」(英文名称:Shanghai World Financial Center)に、この度、省エネルギー性、安全性の強化を実現した高層ビル向け新ゲートシステム「超軽量多機能二重扉」が、世界で初めて設置されました。

室内外の温度差や気圧の変化を抑制
この「超軽量多機能二重扉」は、高層ビル内におけるドラフト現象(※1)の抑制効果が高く、室内外の温度差や気圧の変化を抑える効果のある新ゲートシステムとして開発されたものです。ドラフト現象が強くなる厳冬期を控え、実用化第1号として世界最高層(101階建/高さ492m)の上海環球金融中心の一部(※2)に設置、11月30日より運用を開始いたします。

(※1)ドラフト現象:主に高層ビルにおいて、室内外の温度差、上下階の気圧差が大きくなることにより、エレベータシャフトや階段室、アトリウムなどの吹き抜けに上昇気流が発生し、エレベータドアやビル内のスライド式・スウィング式のドアが開きにくくなったり、逆に勢いよく閉まるといった現象が生じる
(※2)設置場所:1階車寄せ、商業施設入口、地下1階サンクンガーデンの3カ所

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「上海環球金融中心」外観
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1階車寄せに設置された超軽量多機能二重扉
扉のデザインは「上海環球金融中心」の外観をイメージ

機構詳細

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新ゲートシステム「超軽量多機能二重扉」の主な特長

省エネルギー性
・二重自動扉構造(インターロック制御※3)がドラフト現象を抑制
⇒風除室効果により、ビル内の冷暖房効率が向上(省エネ効果の向上)
(※3)インターロック制御:二重自動扉構造において、常に一方の扉のみが開き、同時に入扉・出扉が開くことがない機構。風除室効果を高め、ビル内温度や気圧の変化を抑制する

安全性
・可動部分(扉)の超軽量化により安全性を向上(既存の同サイズの折戸の約30%減)
・ゲートセパレータの光電センサをGLから15cm、60cmの2カ所に設置。車いすやベビーカーの方も安全に通行できます
・扉稼働部分隙間を最小(1.5mm)に設計、扉付き合わせ部にクッション性の高いゴムを使用し、さらに光電センサを縦に設定。光電センサが障害物を感知すると、扉は閉まることがなく、指詰め防止対策を徹底しています

(参考)
新ゲートシステム「超軽量多機能二重扉」は、新日軽株式会社、ナブテスコ株式会社、ナブコシステム株式会社、パナソニック電工株式会社、森ビル株式会社が、各社のノウハウや技術を結集して共同開発したものです。

関連各社の役割分担

(※4)上海環球金融中心に設置する超軽量多機能二重扉には、認証システムは使用しておりません

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