森ビル株式会社は、この度、当社主要施設における『緑被率調査』を実施致しました。調査の結果、「アークヒルズ」(港区赤坂)における緑は16年間で1.6倍、面積にして0.71ha(テニスコート27面分)増加していることがわかりました。

都市と自然が共生する街づくり 
当社は、「ヴァーティカル ガーデンシティ(立体緑園都市)」の理念のもと、「環境と緑」を街づくりにおけるミッションの一つに掲げ、都市と自然が共生する街づくりを目指し、建物を集約化して土地を高度利用することで生まれたオープンスペースや建物の屋上などの緑化を、積極的に推進してまいりました。
日本初の民間による大規模再開発事業として1986年に誕生した「アークヒルズ」は、都市緑化の先駆けとして都市と自然の共生を具現化し、7つの庭「アークガーデン」を中心に都市の生態系を育んでいます。
この度、アークヒルズにおける植物の育成過程を『緑被率調査』によって調べた結果、1990年は1.15ha(緑被率23.3%)だった緑が、2006年には1.86ha(緑被率37.5%)に達しており、歳月を経て植物が順調に育っていることがわかりました。これは、土の深さや樹木の配置など、20mを超える高木の育成までを可能にした屋上庭園づくりや、都市緑化のパイオニアとしての長年の経験に基づく技術とノウハウを生かした緑の育成管理の成果と言えます。

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サントリーホール屋上アークガーデン 竣工当初

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サントリーホール屋上アークガーデン 現在

ルーフガーデン(平素非公開)秋の特別公開:10月6日(火) 11:00~17:00
10月6日(火)には、アークヒルズの豊かな緑を象徴するサントリーホール屋上「ルーフガーデン」(平素非公開)を、特別一般公開いたします。風に揺れるススキや色付くヒメリンゴの実など、都心にいながら豊かな秋の自然を楽しむことができます。
イベントの詳細:https://www.mori.co.jp/garden/

アークヒルズの緑は1.6倍、0.71ha(テニスコート27面分)増加

『緑被率調査』は、植物が特定の波長域の光を強く反射する性質を利用して、デジタルオルソ航空写真※を用いて実施したものです。約5年おきに撮影された航空写真を利用し、アークヒルズにおける植物の育成過程を調査したところ、1990年は1.15ha(緑被率23.3%)だった緑が、2006年には1.86ha(緑被率37.5%)に達しており、16年間で1.6倍、面積にして0.71ha(テニスコート27面分)増加し、歳月を経て植物が順調に育っていることがわかりました。
※デジタルオルソ航空写真は、高精度でゆがみの少ない写真のこと。地図やGISと重ねて使用される

■アークヒルズの緑地面積と緑被率の推移

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■成長した緑で覆われるアークヒルズ

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ヒートアイランド現象の緩和に貢献

都市と自然が共生する快適な都市環境は、人々に憩いの場所を提供するだけでなく、ヒートアイランド現象の緩和にもつながります。
サーモグラフで見ると、緑化された空間は周辺のアスファルト塗装の表面温度に比べ、日中で5℃~15℃低くなっていることがわかります。

■当社主要施設における緑被面積と緑被率

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■サーモグラフ(六本木ヒルズ、アークヒルズ、愛宕グリーンヒルズ)
上のサーモグラフにおいて水色の部分は30℃前後、赤色の部分は40℃以上になるエリアです。緑化された空間は周辺のアスファルト塗装の表面温度に比べ、日中で5℃~15℃低くなっていることがわかります。

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様々な環境賞を受賞、今後は生物多様性にも配慮

「ヴァーティカル ガーデンシティ」の理念に基づく街づくりによる、継続的な都市緑化への取組みが評価され、当社は「第17回地球環境大賞」において「国土交通大臣賞」を受賞するほか、様々な賞を受賞いたしました。今後は、港区の当社事業地を拠点として、都市域におけるエコロジカルネットワークを構築する生物多様性に配慮した街づくりも視野に入れ、環境問題への対処はもちろん、日本らしい四季を感じられる潤いある風景(都市づくり)を目指します。

■環境関連の表彰一覧

年度 名称 主催団体
2002年度 緑の都市賞「国土交通大臣賞」 財団法人 都市緑化基金
2005年度 SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)
緑の都市賞STAGE3
財団法人 都市緑化基金
2006年度 SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)
緑の都市賞STAGE3
財団法人 都市緑化基金
道の日「道路功労者 建設局長表彰」 国土交通省
Energy Globe Award Energy Globe
(オーストリア民間団体)
2007年度 SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)
緑の都市賞STAGE3
財団法人 都市緑化基金
道の日「道路功労者 国土交通大臣表彰」 国土交通省
地球環境大賞「国土交通大臣賞」 フジサンケイグループ

(参考)緑被率調査概要 航空写真で成長した緑を測定
これまで当社で用いてきた緑の面積の算出方法は設計上の面積に基づくもので、類推値は算出できるものの、植物の成長度にあわせた緑の実質的な面積を知ることができませんでした。今回の調査では、デジタルオルソ航空写真(港区撮影)をもとに、植物の葉によって反射された特定域の波長を抽出して赤外カラー合成し、緑被分布図を作成して緑被地の面積を算出しました。
『緑被率』とは、一般的に、緑に被われた部分の面積の対象地に対する割合を指します。

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