森美術館は、アートを身近に感じていただくコミュニティプログラム(※注1)の一環として、2007年4月より、ワークショップ『 六森未来図』プロジェクトを開始しました。本プロジェクトは、刻々と街の様相を変化させる六本木に、「六森」(ロクモリ)という想像の世界を設定、参加者が講師である鴻池朋子氏と共に六本木の街を探索し、それぞれの『六森未来図』を思い描こう!というコンセプトのもと、始動しました。

プロジェクトは2年間にわたり、全3回のワークショップを実施。鴻池氏とともに延べ60名の参加者が“オオカミ”となり、野生の感性を研ぎ澄ませながら、実際の街中に、山や河、洞窟、暗闇といった想像の森を見出していきました。古来より人間の奥深くに存在する動物的第六感を目覚めさせ、それぞれの「六森」≒「第六感の森」を駆け巡ることで、六本木という都会に存在する超自然を発見するというこのユニークな試みは、参加者によって紡ぎだされた多彩な物語をもとに、鴻池氏が本プロジェクトの集大成として描いた一枚の『六森未来図』をもって完結しました。

このたび、2009年3月28日より、参加者より集められた物語を集約した記録集の発売を開始するとともに、鴻池氏が未来の六本木の姿(地図)として描きあげた『六森未来図』を一般に披露します。
“オオカミ”たちが見つけた都会の森、紡いだ物語はどのような未来図を描いたのでしょうか。本プロジェクトの一連の様子がまとめられた記録集で、是非追体験してみてください。いつもの六本木の風景がひと味違う不思議な世界に見えてくることでしょう。

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記録集 表紙

■ワークショップ
開催日:第1章2007年4月28日/第2章2007年11月17日/最終章2008年5月31日
主催:森美術館
講師:鴻池朋子(アーティスト)
実施:森美術館学芸部パブリックプログラム、森美術館サポートスタッフ

■記録集
サイズ:A5判52頁(挟み込みポスター B4サイズ)
予定価格:1,300円(税込)
※発売開始日3月28日18:00-19:00はアート&デザインストア(森タワー3階)でサイン会を実施予定
※鴻池朋子が描いた『六森未来図』のインクジェット版画のエディションを販売予定

注1:コミュニティプログラムとは港区内を中心とした地域に根ざしたプログラムです。